大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)3235 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人A、同Bの負担とする。

理 由

被告人A、同Bの各上告趣意及び右被告人両名弁護人鈴木由治の上告趣意につい

て。

所論はいずれも刑訴四〇五条に定めている上告理由にあたらない。

被告人C弁護人宮本基の上告趣意について。

しかし、強盗傷人罪は所謂結果犯であるから、強盗共犯者間に被害者に対し傷害

を加えるについて意思の連絡がなく、又傷害を加えた行為者に傷害の意思がなくて

も、強盗の実行行為中共犯者の一人が被害者に暴行を加えて傷害の結果を生ぜしめ

たときは共犯者全員につき強盗傷人罪が成立すること当裁判所の判例とするところ

である(昭和二三年(れ)第二四九号、同年六月一二日第二小法廷判決、判例集二

巻七号六七六頁参照)。ところで、原判決の確定した事実は、被告人等は強盗する

ことを共謀し三名で兇器を携え被害者方に押入り、強盗の実行行為中被害者Dが隙

を見て救を求めに屋外に飛び出すや、相被告人Aは所携の鎌を持つた儘その後を追

いかけ、必死になつて逃げるDが庭先で転倒するや、その直後に追い迫つて来た右

相被告人もその上に打ち重なつて倒れたため、所携の鎌でDに判示の如き傷害を負

わせたというに帰するのであつて、右の事実は原判決挙示の証拠によつて優に証明

せられるところであるから、仮りに所論の如く相被告人AがDに傷害を負はせたこ

とについて被告人等に事前に意思の連絡がなく、また、その傷害の結果が被告人C

の予想もしなかつたところであつたとしても、共犯者たる被告人等全員に対して強

盗傷人罪の成立を妨げるものではない。従つて原判決には所論のような刑法二四〇

条及び六〇条解釈を誤つた違法は存しない。論旨は憲法違反を云為するけれども、

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以上説示の如く、既にその前提を欠くものであるから、論旨の理由のないこと明ら

かである。

なお、記録を精査しても、本件について刑訴四一一条を適用すべきものとは認め

られない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により、裁判官全員一致の意見

で主文のとおり決定する。

昭和二六年五月四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官小谷勝重は出張中につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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